~検査結果が届くまで!~
検査室から、検査の値が患者様へ届くまでの流れを紹介していきたいと思います。
① 検査依頼
年間の定期検査予定より、あらかじめバーコードシールを作成して採血管の準備をします。
バーコードには 検査日、氏名、検査項目などの情報がはいっています。
外来患者様や臨時検査には当日 バーコードシールを作成します。
② 採 血
第1週 月、火 | 透析前後の腎機能検査 (※美浜クリニック、東クリニックは血球検査も行っています。) |
前は薄黄色キャップ採血管 後は凝固促進剤入り黄色キャップ採血管 | |
第3週 月、火 | 腎機能 肝機能検査 (※美浜クリニック、東クリニックは血球検査も行っています。) |
第2、4週 月、火 | 血球検査 (※半田クリニックのみ) |
紫色キャップ採血管
他に血糖測定用 灰色キャップ採血管、 凝固検査用(PT-INRなど)水色キャップ採血管など、その検査に合わせた採血管に適量採血し検体とします。
採 取
尿 便 喀痰 細菌検査にもそれぞれの容器で採取し検体とします。
③ 遠心分離
採血後 5分~10分くらい静置して血液が固まったら3000回転で5分間遠心分離をします。
検査には遠心分離した上清(血清または血漿)を使います。
④ 測 定
生化学
腎機能 → BUN、UA、クレアチニン
電解質 → Na, K, Cl, Ca, IP, Mg, Fe
肝、胆道機能 → ALT, AST, LDH, ALP, γーGTP, CHE, T-Bil
脂質検査 → T-CHO, LDL-CHO, TG
膵機能 → AMY
一般炎症免疫 → CRP, IgG, IgA,IgM
その他 → TP, ALB, β2-MG など
以上の検査はBECKMAN COULTER AU5800という分析機に採血管ごとかけられ、遠心分離が終わった上清で測定します。基準値より大きく外れた項目は自動再検が行われます。
血 糖
グルコース, HbA1c
これらの検査は、協和メディックス DM-JACK という分析機で測定します。 採血管が異なり灰色キャップの採血管を使用します。中にフッ化Naという抗凝固剤が入っていて血液は固まりません。= 糖尿病、インシュリン、食事コントロールの検査 =
血球検査
血算 → 白血球数、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板数、 網状赤血球
白血球分類 → 好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球
以上の検査はBECKMAN COULTER DxH800で測定します。
この検査は、血液をそのまま使うので採血管にあらかじめ抗凝固剤(EDTA)が少し入った紫色キャップの採血管を使用し、よく攪拌して測定します。
貧血や炎症の有無などを検査します。
凝 固
PT,A&T CG101という分析機で抗凝固剤の入った水色キャップの採血管で血液を遠心分離して上清(血漿)を使用します。
ワーファリンなどの薬が正常に働いているか検査します。
★ 至急検査依頼が届けば、各分析機も5分~20分間くらいで検査結果を出すことができます。
用手法
輸血検査 → 交差適合試験(クロスマッチ)輸血用血液と患者用血液との間に抗原抗体反応がおこるかどうか試験管内で混和して検査します。
検査時間は1時間
尿検査 → 試験紙で糖やタンパク、出血などの有無を検査したり、顕微鏡で血球や細菌、細胞を確認します。
検査時間は5分間
便潜血 → 便の中に血液が混ざってないか調べます。
検査時間は20分
インフルエンザ → 鼻腔ぬぐい液からインフルエンザに感染しているか検査します。
検査時間は20分間
外注
その他 当検査室で検査できない特殊検査項目は外注に委託します。
検査結果がでるまで2日~1週間かかります。
生理検査
心電図 → 心電計を使って心臓の動きを確認します。
エコー → 超音波で心臓や腹部臓器の異常を調べます。
⑤ 結果 チェック
生化学、免疫、血液、血糖検査はホストコンピューターとオンラインで接続され、他の検査は手入力でコンピューターに結果を入力します。
検査結果は、患者様(性別 年齢 食事) 検体(保存状態 量 溶血 乳びビリルビン 薬剤) 分析機(正確性 精密性)などの影響をふまえて、基準値前回値 項目間比較を行い、測定結果として検査報告書に出力されます。
如何でしょう?ざっと検査結果がみなさまへ届くまでの検査室の仕事を紹介させていただきました。難しい単語が出てきて読みづらかったかもしれません。 患者さまには、体重に食事の管理と数字は付きまといます、検査結果は日頃の努力の証しにもなります。これを機にもっと検査データにも興味をもっていただいて、よりよい透析生活にしていきましょう!